しばらくのインターバルで俺は呼吸を整えていた。
そんな俺の様子を由美子が見下ろしている。
俺は由美子の指で幾度となくイかされていた。
「さぁ。今度は少し趣向を変えましょうか?」
見ると、由美子の輪郭がぼやけ始めた。
俺は目ば奇怪しくなったかと、2〜3度瞬いた。が、それは目の疲れや錯覚ではなかった。
見る間に由美子の輪郭がなくなると、今度は別のモノに替わっていった。
それは『俺』だった。
俺の目の前に全裸の『俺』がいた。
「今度はこういう趣向で良いかな?」
『俺』の声で奴が言う。
「自分に犯されるのはどんな感じかなぁ?」
奴は屈み込み、指先を俺の顎に掛けた。
「や、やめろ。」
かろうじて声がでる。
「どうして?さっきはあんなにヨがっていたじゃないか。今度は俺が可愛がってやるよ。」
既に薬の効果は薄れ手足も動くようになっていたが、俺は蛇に睨まれた蛙のように身動きひとつ取れなかった。
「さぁ。本当の男を教えてやる。」
奴の手が俺の髪の毛を掴み、ぐいと引き寄せた。
目の前に男のシンボルが迫っていた。
「咬えるんだ。」
奴は俺の顔をソレに擦り付けた。
「これはお前のものだろう?何を遠慮してるんだ。そら、口を開けるんだ。」
俺の閉じた唇の間に、強引にそれを割り込ませて来た。
もともとコレは俺のモノだと思うと、無下にも扱えない。噛み千切ってしまいたいという欲求を無理やり押さえ込んだ。
「おぅ、良いぞ。猫娘の舌はまた格別だよなぁ。このザラザラした感じが…うぅ!!」
呻きを発したかと思うと、奴は俺の口の中に精液をぶちまけた。
「残すんじゃないぞ。全部嘗め取るんだ。」
俺は奴の命令に従うしかなかった。
「さぁ、ご褒美だ。そこに四つ這いになれ。」
そう言って床の上を指した。
「もっと尻を上げるんだ。」
胸や頬を床に押し付ける格好になる。
フローリングのひんやりとした冷たさが、そこから伝わってきた。
奴は尻尾を摘まみあげた。
その先端で俺の股間を撫でつける。
「………」
言いようのない屈辱感に襲われた。
「行くぞ。」
尻尾が開放されると、今度は奴の掌が当てられる。
「良い具合に濡れているな。」
ソコを確認した上で、一気に肉棒を突っ込んで来た。
由美子との情事で十分にほぐされていた為か、ソレが痛みをもたらす事はなかったが、ソコから快感を得る事もなかった。
奴は獣のようにピストン運動を繰り返す。
俺は冷めた目で床を見つめていた。
奴の精液が俺の中に放たれるのと同時にタイムリミットが来たようだ。
耳鳴りがした。
目が霞んでくる。
ふわりとした浮遊感に包まれた。
俺は館の中にいた。
直ぐにシャワーを浴びて汚れを洗い流した。
俺はしばらくの間、気力を失い、ぼーっとして過ごす事になった。