魔女


 
 ダンジョンの奥に「魔女」はいた。
 いや、彼女は本当に「魔女」なのだろうか?
 哀しい目をして俺を見ていた。
 「お願い。ここから出して…」
 そう訴える彼女の足には足枷が嵌められ、ルーンの刻まれた鉄鎖が床から延びていた。
 どう見ても「囚われの姫」である。
 
  
 
 俺はもう少し注意深くなければならなかった。
 彼女はいつから囚われているのか?
 食事はどうしているのか?
 そして、どこかに罠が仕掛けられていないか?
 
 
 「今行くっ!!」
 俺は鉄柵の錠前を斬り破り、彼女の下に駆け寄った。
 「よくやった♪これで外に出れるぞっ!!」
 彼女が抱きついてきた。
 ボロボロの衣服が砕け散り、生身のオンナの肉体が密着する。
 彼女の顔が迫り、唇が合わさる。
 想像を遥かに越えた力で吸い付かれた。
 
 肺の中の空気を全て吸い出されたかのようで、頭がクラクラした。
 否。吸い出されたのは肺の中身ではなかった。
 唇が離される。
 力なく崩れ落ちる俺を逞しい腕が抱き止めていた。
 瞼を開けるとそこには男の顔があった。
 
 「助けてくれてありがとう。」
 と男が言った。
 ここには俺と彼女しかいなかった筈だ。
 (彼女は男だったのか?)
 「これからは、その身体が君のものだ♪」
 「この身体?」
 いつのまにか俺は全裸になっていた。
 そして、胸には双つの膨らみが、股間は…
 
 「ないっ?!」
 その声も甲高く、俺が女になってしまった事を裏付けていた。
 そして、よく見ると彼は「俺」だった。
 「お…俺の身体…返せっ!!」
 「今は無理だな。一年くらいすれば魔力が溜まり、身体を入れ換えられるようになる。とはいえ、俺はこの身体を返すつもりはないがな♪」
 「俺が…女?」
 「そう悲観する事もないぞ。女は女で気持ち良いコトもできるしな♪」
 「気持ち良いコト?」
 「そうさ♪今から教えてやるよ。」
 
 俺は床に転がされた。
 奴はズボンを脱ぎ、のし掛かってきた。
 何をしようとしてるかは即にわかった。
 「や、やめろ…」
 俺の抵抗は簡単に抑え込まれる。
 そのまま俺は股間に突っ込まれ…
 俺はオンナの快感に翻弄されていった♪
 
  
 
 
 「魔力が溜まれば男に戻れてここから出られる。その身体は不老不死だから10年でも20年でも待ち続けられるぞ♪」
 そう言って「俺」の姿をした男は去っていった。
 俺は快感の余韻を思い出し、股間に指を伸ばしていた…
 
 
 


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