異世界


 
 気がつくとそこは異世界だった。
 そこでは俺は本来の肉体とは別の身体を与えられていた。
 
 「姫様。」
 勇者が俺を呼んだ。
 そう、今の俺は勇者逹に守られ隣国に向かう「お姫様」だった…
 
 「何か?」
 俺が問い返すと
 「この長旅、ご退屈になられてはいないかと♪」
 毎度の事ながら返答には注意しなければならない。
 この異世界のルールは「ミッションを繰り返す」…つまり、このRPGが無限に繰り返されるところにある。
 エンド条件に達すると、俺は元の屋敷で「姫」として目覚めるのだ。
 そして新たな勇者逹が現れて俺を隣国に送り届けようとする。
 
  
 
 「退屈…ですか?それは貴方逹の方ではなくて♪」
 と俺が胸元を緩めると、一行は街道を外れて人気のない場所に馬車を停めた。
 「少し退屈をまぎらわせてもらいますよ♪」
 この勇者もまた俗物だった。
 キャビンに上がり込み、俺を押し倒す。
 「これまで経験したことのないような快感を教えてあげますよ♪」
 と、いきなり彼の逸物を俺の股間に押し込んできた。
 これまでの経験から、自ら潤ませておいたので痛みこそないが…
 
 この勇者は「ヘタ」だった。
 
  
 馬車の外が騒がしくなってきた。
 山賊が襲ってきたのだろう。
 もうすぐエンド条件が成立するはずだ。
 (それまでに一回くらいはイかせてね♪勇者サマ?)
 
 
 


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