大学受験を前に、僕は家庭教師の桃姉と神社に合格祈願に来ていた。
「そもそも、あんたの頭であたしの大学に来ようだなんて、本当に無謀なんだから。」
「でも、桃姉のおかげで何とか合格ラインにまできたものね♪」
「あとは神頼み?神様はそんなに優しくないわよ。」
そう。どんなに頑張っても100%という事はないことは承知している。
如何せん僕の頭では限界がある。
では…
「ちゃんとお祈りした?」
「も、勿論♪」
そう、僕がお祈りしたのは「僕」が合格すること。そして、その為に桃姉と「入れ替わる」こと♪
そんな願いをして、二人でこの神社の階段を落ちてゆけば…
「っあ!!」
わざとらしく階段の上でバランスを崩す。
そのまま桃姉を巻き込んで階段を落ちていった…
………
……
…
気が付くと心配そうに僕を覗き込む「僕」の顔があった。
「大丈夫か?骨とか折れてない?」
僕の意識が戻ったのをみて、立て続けに声を掛けてくる。
その声が「僕」の声だとは解っていたが、ここは何も知らぬふりが良いのだろう♪
「えっ、僕?」
「騒がないで。ここじゃまずいわ。どこか落ち着いて話しができる所に行きましょう♪」
僕は立ち上がり、桃姉の肉体で「僕」の後を歩いていった…
「ここは?」
「だから、落ち着いて話しができる場所よ♪」
と連れて来られたのはラブホテルだった。
僕の姿の桃姉があっという間にチェックインしてきた。
「こっちよ♪」
とルームキーを手にエレベーターのドアを開いた。
「さてと。そろそろ俺も正体を現さないとな♪」
「正体?」
「お前も知ってたんだろう?あの神社の裏のご利益♪」
「入れ替わりの事?」
「そうさ♪俺も同じようにして桃音の肉体を手にしたんだ。」
「えっ?桃姉が桃姉じゃなかったって事?」
「元々の俺の名は桂遊人だ。」
確か、去年自殺した桃姉の友人がそんな名前だった。
「桃音のやつ、俺の身体になったのを悲観して自殺しやがった。俺は女として生きなければならなくなったんだ。」
僕の姿の桂遊人がやおら立ち上がると服を脱ぎ始めた。
「久々の男の肉体だ。やはりこっちの方が良い♪」
「な、何をしてるんですか?」
「ラブホテルでやる事といったら決まってるだろう?お前も女の快感に興味ない訳ではないだろう♪」
と僕も服を脱がされた。
「その肉体の感じる所は全て把握してるからな♪安心して俺に身体を預けるんだ♪」
…
…
…
僕は始めて知る、強烈な快感に翻弄されていった…