最強の剣は俺の下に戻っていた。
 しかし、長い間放っておいた為か、その姿を一片の棒に変えていた。そのため、鞘に収めれば解ける筈の変身も未だ解けず、俺は女のままであった。
 
 
 俺は女狩人として獲物を求め旅をしている。俺としては独り気兼ねなく旅をしたいところだが、俺を「姫」と呼び跡を付いてくる男達がいた。彼らは揃って剣の腕もたつ為、彼らと連係することでかなり厄介な獲物も容易に倒す事ができた。今夜も狩りの成功を祝して宴が開かれていた。俺の隣はいつものように狩りの殊勲者が座り、恒例になった「姫」からの祝福のキスを受ける。
 その時、ふと彼の下半身に目が行っていた。そこに男の生理を目の当たりにした。俺は初な小娘どころではない。本来は彼らと同じ男なのだ。が、その股間のものが堅く膨らみ、ズボンの布を押し上げるのを見てドキリとしてしまった。
 
 部屋に戻りベッドに上がると最強の剣である「棒」を取り出した。最初は干からびた枯れ枝のようであったものが、水気を与えたところ表面の滑らかな棒になった。更に先日の一件で柔らかくなり、見た目は男のペニスそのものだった。俺の手が触れると、それは勃起したかのように硬さと大きさを増すのだった。
 ついつい、先ほどの男のものと比較してしまう。女は彼のペニスを受け入れて本当に喜ぶのだろうか?それ程に彼のペニスは大きく見えた。俺も他の女と同じようにペニスを受け入れ、喜ぶようになるのだろうか?彼程のものはきっと痛いに違いない。普通の大きさなら大丈夫だろうか?棒は?棒は一般男性の基準からしても小振りであった。これなら俺でも快感が得られるのではないだろうか?
 俺は女がするように、棒をペニスに見立て、その先端に舌先で触れてみた。
 唾液で全体を濡らした棒をゆっくりと股間に近付けていった。興奮した俺の股間からは女汁が滴りだしていた。棒を陰唇に押し当て、膣の中に挿入していった。
 
 
 !!!!!!
 
 
 突然、棒がうねりだした。快感とかを判別できない強烈な刺激に打ち抜かれた。
 俺は一瞬で意識を失っていた。
 
 俺は再び夢を見ていた。
 夢の中の俺は男だった。そして、俺に組み敷かれている女もまた俺自身だった。
 俺が女を突き上げると、俺の中に侵入してくる異物を感じた。しかし、それは決して不快なものではなく、俺に女の悦びをもたらしてくれる。俺の喘ぎ声を男の俺が聞き、更に精を込めてゆく。
 俺は男と女で同時に絶頂に達していた。
 
 床から身体を起こすと、目の前に男の俺が立っていた。全裸のまま直立不動の俺の股間に目がいった。俺のペニスが剣の把のようになっていた。大きさの違いこそあれ、ドラゴンの下にあった最強の剣のように突き立てられていた。
 俺は女の手で剣の把に触れた。最強の剣を手に入れた時の再現であった。剣と気を合わせるようにして動かし続ける。俺の息が荒くなり、再び股間から女汁が滴っていった。
「あ、あぁ♪」俺は剣を動かしているだけで絶頂に達しようとしていた。
 最後の瞬間、剣は俺の手に残っていた。
 
 
 目覚めると、俺の手には細身の剣が握られていた。それは、俺の細身の剣と瓜二つだった。並べてみても違いは判らない。が、その把を手にした時、それが最強の剣であることははっきり判った。俺は剣を鞘に収めた。剣はまだ本来の姿を取り戻した訳ではないので俺が男に戻ることはなかったが、鞘に収まった安心感が剣からも届いてきた。
 最強の剣の切れ味は抜群であった。刃こぼれすることなく獲物を次々と切り倒してゆく。細身のため本来の力強さはないが、この剣は最強を冠するに相応しいものであった。
 
 
 獲物は最後の一体となっていた。俺は身軽に敵の攻撃をかいくぐると、懐に肉薄し、その急所に深々と剣を突き立てるのだった。
 どうと獲物が倒れてゆく。
 
 歓声が巻き起こった。
 

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