光の泉



 俺は最強の剣を求めて旅をしていた。噂を聴いては秘境に赴き伝説の剣といわれるモノを手に入れてきた。しかし、そのほとんどが宝剣の類いで家庭の包丁にも勝てないものばかりであった。
 中には相応の剣もあったが、これまでに俺を満足させたものは一本もなかった。
 
 俺は今、密林を分け入っていた。この先の光の泉に棲むドラゴンが剣を持っているという。俺は数々の難所を経て光の泉にたどり着こうとしていた。これまでの苦難を考えると、それはありきたりの泉であった。密林が途切れそこにだけ光が当たっているのでそう名付けられたのであろう。俺は泉に感銘を受けることなく、脇にあった洞穴に足を踏み入れた。奥には広い空間があった。床一面に剣が散らばっている。そのほとんどが結構な業物と思われた。
「剣が欲しいか?」突然頭上から声がした。見上げるとそこにドラゴンの顔があった。俺は剣を抜き、ドラゴンと向き合った。
「最強の剣があると聞いてやってきた。力ずくでも頂いてゆくぞ。」
「ふ〜む。なかなか良い剣を持っているな。よし、お前の剣と交換してやろう。もし、お前が剣を抜けたならばな。」
 ドラゴンがそう言うと目の前の壁が二つに分かれていった。その奥の壁に目的の剣が突き立てられていた。俺は剣の把に手を掛けた。把は生温かかった。一気に抜こうとしたがビクともしない。何度か繰り返すうちに把が俺の手の中で脈動しているのに気付いた。つまり、剣と気を合わせないとならないと言うことか?俺は剣の気に意識を集中させた。
「ぁあ、うっうう〜」突然、ドラゴンが呻き声を上げた。
 と同時に剣が光輝いた。今だ。俺は一気に剣を引き抜いた。
 溢れ出た光が俺を包んでいた。
 
 
 
 俺は洞穴の中で目覚めた。気を失っていたようだ。壁は元通りになっていたが、俺の手の中には最強の剣が握られていた。
 俺は起き上がると今までの剣を床に投げ捨て、最強の剣を鞘に収めた。
 
 
 
「さて、」誰もいなくなった洞穴の中でドラゴンが動き始めた。
「新しい剣を練るとするかね。」と、脚を開き股間を覗き込んだ。岩壁と見えたのはドラゴンの脚であった。その股間には今までの剣に代わり、あの男のペニスがあった。
 

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