「全面広告」


「そのKE」本コレクション



 この度は「そのKE」の広告を掲載させて頂き有り難うございます。SF6ではこのようなテーマを「そのKE」本と称し扱っております。今回、ここに一般に市販されている「そのKE」本を集めてみました。(本資料は平成3年に作成されたため、現在では入手不可能なものもあります。ご了承下さい・・筆者)
 なお、SF6では本誌として「SOKE」も発行しておりますので「そのKE」ともども宜しくご贔屓の程お願い致します。
                                  DE 奈落


凡例:「作品名」著者(出版元または叢書名「書名」)

「火星の運河」江戸川乱歩(春陽文庫 「屋根裏の散歩者」)
 夢オチですが、こんなにも「色」を感じさせる作品はないでしょう。
 タイトルに「火星」とありますが、宇宙ものではありません。

「かわいいポーリー」星新一(新潮文庫 「悪魔のいる天国」)
 星新一がこの手の作品を書いているとは以外と思われるでしょう。
 人面疽ものですが、どろどろした雰囲気はありません。

「男を探せ」小松左京(新潮文庫 「春の軍隊」)
 手術のによる変身ものです。薬により男の心と女の心が入れ替わるのが面白い所です。 小松左京は他にも龍神少佐のシリーズがあります。このシリーズはさまざまなアンソロジーに収録されていますが、タイトルは一定していません。(「春の日差し」他)

「ダブル・セックス」平井和正(角川文庫 「怪物はだれだ」)
 入れ替わりものの変形です。直接男女が入れ替わるのではなく全くの別人となってしまうため、ストーリーはすっきりしています。
 その他、平井和正には迷著「超革命的中学生集団」があります。この作品では超能力による性転換が登場します。

「ふしぎなオポルト氏」矢野徹(角川文庫 「フロリダ超能力集落」)
 矢野徹はそのKE本をかなり書いています。
 その中で、本書は超科学等のSF仕立てではなく魔法を使ったファンタステックな物に仕上がっています。第2次大戦という設定とあいまって面白く仕上がっています。

「コートの中は・・・」岬兄悟(大陸ノベルズ)新書
 若手の作家では岬兄悟がそのKE本の大家でしょう。(ラヴ・ペア・シリーズ等)
 本書は不条理パターンの秀作です。コートの中身だけが入れ替わるという不思議な設定です。もちろん首から上と手足はそのままです。そこらへんの処理を楽しんで下さい。

「転の忍法帖」山田風太郎(文春文庫 「姦の忍法帖」)
 SFではありませんが、限りなくSFに近い時代ものを書いている山田風太郎にはそのKE本は数多くあります。全てが忍法で片づく便利な設定です。
 中でも「歓喜天」はよく使われる忍法のひとつです。
 「歓喜天」は入れ替わりの忍法ですが、本書では「陰陽変」という忍法が登場します。 これは手術ものの変形と考えて下さい。まあ、忍法ですから深く考えずに済ましましょう。

「あべこべ人間」遠藤周作(集英社)
 薬による変身ものです。しかし、文芸作品のためそれなりの仕上がりとなっています。 遠藤周作にはその他に「大変だァ」などもあります。

「猫は頭にきた」式貴士(角川文庫 「連想トンネル」)
 式貴士は本業が本業ですから他の作品とは仕上がりが異なります。
 本書では猫を仲介とした魂の入換えを使っています。よくあるパターンですが、その描写力は群を抜きます。

「おれがあいつであいつがおれで」山中恒(旺文社文庫)
 映画「転校生」の原作です。ただそれだけの作品です。

「オレの愛するアタシ」筒井広志(新潮社文庫)
 オーソドックスな入れ替わりものです。

「気ままにウーマン」菊地昭典(角川文庫)
 勝手に変身してしまうのですが、変身後の意識がないので面白みに欠けます。

「あばよ!明日の由紀」光瀬龍(ソノラマ文庫)
 ジュブナイルから一冊。ソノラマ文庫には辻真先の「株式学園の伝説」シリーズや山下定の「少女のようにキララかに」などもあります。

「男憑き」豊田有恒(講談社文庫「悪魔の城」)

「二分割幽霊奇譚」新井素子(集英社文庫)
              その他「ふたりのかつみ」


海外
「悪徳なんかこわくない」R.A.ハインライン(早川文庫)
 海外作品にはあまりそのKEは見当たりませんが単に訳されていないだけと考えます。 そんな中でもそのKE本の筆頭は本書でしょう。
 また、ハインラインの短編に「輪廻の蛇」があります。タイムパラドクスと相まって、なかなか頭の混乱する一編です。

「いまひとたびの生」R.シルヴァーバーグ(早川文庫)

「時空の支配者」R.ラッカー(新潮文庫)


その他
「トコ博士の性実験室」M.ヴァッシー(富士見ロマン文庫)
 思考実験のため、外見の変化はありません。

「女医・秘密診療室」館淳一(フランス書院文庫)
 100%の変身ではありませんが、そのKEに相応しい一冊です。

「ママの女の子」白鳥聖子(トマトノベルズ「相姦 血脈儀式」)コスモ出版 文庫
 アンソロジーの一編。そのKEになりきれていないもどかしさがあります。

「禁猟〈獣たちの宴〉」蘭光生(マドンナメイト)二見書房 文庫
 ラストのどんでんが見物です。さすがは蘭先生。



 なお、通信販売は行っておりませんので、日本SF大会のディーラーズルーム
 または、直接本人を探してお求めください。


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