「ここはどこ?」 わたしは、白い霧の中にいた。 もちろん、自分から進んでここに来た訳ではない。 そういえば、誰かの後に付いて来たような気がする。 誰だったのか思い出せない。 友達だったか、見知らぬ他人か、それとも親兄弟の誰かか? 記憶がふっと途切れている。 確かに、わたしはその『誰か』と一緒にいた。 けれど、今はわたし一人きり。 「ねえ」 と、その『誰か』に呼びかける。
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