ふたなり…TSの過程



hennge
ジクッ…
不意に股間から滲み出てくるものがあった。
(何?)
ソレはパンツを濡らすだけでは終わらず、ズボンにまで染みてきていた。
トイレに向かい、ズボンとパンツを下した…
下痢とか排便感はなかったので、便状のモノがそこにあるとは思っていなかった。
そもそもソレは肛門から滲み出てきたものではない。
ペニスの裏の付け根辺りからのような感じがしていた。
指先でその辺りを触れてみた。
(?)
会陰部に裂け目が出来ている?
そう…まるで膣口のように開き、愛液のようにソレを滲ませている。
そのナカに指の先端を差し込んでいた。
胎のナカに異物を感じる。
もし、この指がペニスであれば、男を受け入れている状況である。
「オンナ」としてソレを咥え込む。
勿論、指一本の太さである訳がない。
もう一本差し込んで膣内を押し広げてゆく。
 
その間も潤滑油のように愛液が指に纏わり付いてゆく。
「っあ♪」
何かを感じた。
その周辺を刺激すると、快感が高まってゆく。
試しに女がするように喘いでみる。
「ソコ…もう少し奥っア、アアン♪イイ…」
自分の声であるが、責めている女が喘いでいるように…
否、責められているのは自分だ。
男の指が…ペニスがアタシを貫いている♪
「イイ…もっとオクまで…」
アタシのナカのペニスが勢いを増した。
「ァ、アアン♪」
快感が昇り詰めていく…
「これ…アタシ、イッちゃうの?」
(そうだ、コレでイッちゃえ!!}
脳内に男の声がした。
そう、アタシは今、彼に貫かれているんだ♪
アタシの膣のナカでペニスが大きく脈動し、ザーメンを吐き出す!!
「アア!!イイ!!イッちゃう〜〜〜♪」
 
 
anohi
その日…胎の奥が重く感じていた。
いつもと違う排泄感にトイレに向かった。
股間から滴り落ちるものがあった。
まさかとは思っていたが、便器が赤く染まっていた。
男として生まれ育ってきたが、先日、股間に膣が出来ているのを確認していた。
そう、単なる裂傷ではない。
ソコに指を突っ込めば、女しか得ることのできない筈の快感を得ることができた。
認めたくはなかったが、それは膣であった。
当然ではあるが、膣だけで済む筈もない。
その奥には子宮や卵巣が出来ていても不思議ではない。
であれば、当然月のモノがやってきてもおかしくはない。
 
そして、それは自分が妊娠可能な肉体となった可能性を示している。
自分の外見は「男」のまま何も変わってはいないのだが、肉体は内側から着実に女性化しているということなのだろう。
今はペニスから小水を迸らせているが、いずれは立ったままの小便は不可能となるのだろう。
胸が膨らみ始めれば、今の服は殆ど着れなくなるのだろう…
だが今現在は、スカートを穿いた自分の姿など想像もできない。
 
とは言え、パンツに関しては考えなければならない。
生理中はパンツを汚す確率は高いのだろう。
生理用のショーツもあると聞いている。
それ以前に、ナプキンにするかタンポンにするかを考えておく必要がある…
 
 
bura
乳首が飛び出してきた。
Tシャツを直に着るとその存在がはっきり見えてしまう。
それに、これまでより敏感になっているようで、刺激を抑える必要がある。
(ブラジャーをする?)
こればかりは「男」の尊厳を失いかねない。
乳首の存在は隠せ、乳首への刺激を抑えられてもストラップの存在を隠すことは難しい。
これが冬であればセーターや厚手の生地で誤魔化せるのだが…
 
ブラジャーの存在を誤魔化せない場合「男装」は奇異の目で見かねられない。
であれば「女装」…スカートを穿くしかないのだろうか?
乳首以外の体形はまだ「男」のままなのだ。
胸は平らだし、クビレもない。
これまた「女装」として奇異の目で見られる。
それに、女装の際には化粧やアクセサリーも必要になってくる。
どうしたものか…
 
広告に「ブラトップ」なるものを見つけた。
ブラジャー内臓のタンクトップらしい。
ストラップではなく、幅広の生地が肩に掛かるものだ。
タンクトップであればランニングシャツとも大差はないし、タンクトップ自身男性もよく着用している。
ブラジャーのように細かなサイズ分けにはなっていないので購入も簡単である。
ただ、サイズが単純な分、平らな胸では隙間が大きい。
硬めの素材で成型されているので、多少胸が膨らんで見えるが…
 
 
gloss
床屋にも行けていないので大分髪の毛が伸びてしまった。
いまだペニスは存在しているが、胸がはっきりと膨らんでしまっているので、もう「男」としては通用しないだろう。
しばらく前に髭が抜け落ちて以降、生えてくる気配がない。
髭をあたる必要がなければ美容院で問題はないだろう。
 
さて、美容院へは「男」として行くべきか「女」として行くべきか…
考えるまでもなく、もう自分は「女」として見られてしまうのだろう。
髭はなく、胸がある。
股間にペニスが存在するといっても、これをひけらかす訳にはいかない。
スカートを穿いてみる。
髭と同時に脛毛もみな抜け落ちているので、スカートの下に覗く脚も既に「女」の脚にしか見えない。
クビレはまだできていないが「女装」してしまえば誰も気にすることなどないようだ。
 
鏡の前に座る。
化粧などしていなくとも、もう「女」の顔にしか見えない。
それでも、何も化粧をしていないと奇異に思われる可能性があった。
手にしたスティックを捻ると紅い芯が伸びてくる。
それを唇に触れさせた。
これまで、何度も練習し、それなりに見えるようにはなっている。
首にはネックレス、耳にやイヤリングが揺れている。
 
サンダルのアンクルストラップを留め、バッグを手に外に出た♪
 
 
byebye…soshite
既にお飾りみたいなモノになっていたのであまり気にも止めていなかった。
いつの間にかソレは股間の隙間の間に消えていた。
割れ目を押し広げると名残が見つかった…
が、それは普通に女性の陰核と呼ばれるものと何の変わりもないものになっていた。
もう、アタシを見て「男」だと言う人は誰もいない。
 
(♪)
胎の中に動くものがあった。
それは新しい命…アタシと彼の愛の結晶である。
アタシはもう正真正銘の「女」…そして「母」になる♪
 
 
 

−了−

 

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