ご褒美



 今日も僕は学校から帰ると即にネットにつながった。いつものゲームサイトにアクセスする。
 そして、『俺』が目覚めるのだ。
 
 
 気弱な「僕」とは違い、俺様は強くて生意気なのだ。腕にモノを言わせ魔物を切り捨てては報償を手に入れる。戦っていないときはその土地の美女をはべらせ美酒を水のように飲み干すのだ。
 目覚めた俺はまず地図を広げ魔物の居場所を確認する。腹は減っていないので直ぐに出発することにした。剣を取ると魔法の防具が勝手に装着してくる。宿の主人に行ってくると手を挙げ、俺は魔物の住み処に向かった。
「待って下さ〜い」と愛らしい声でミロが追い掛けてきた。ミロは俺にまとわりついている妖精だ。治癒魔法が使えるので、とりあえず側に置いている。俺的には何も考えずに中央突破するので生傷が絶えないので治癒魔法はあって邪魔にならないと考えている。が、あえて待ってやるほどには思ってはいない。俺はスタスタと先に進んでいった。
 
 
 魔物の手下のスライムも在庫切れのようであった。直衛の騎士もサキュバスを使っているようで、すばしこいが剣技は話しにならない。俺は汗ひとつかくことなくボスキャラに辿り着いた。
 魔物は無数の触手で俺の行く手を阻み、俺を取り囲み、押し潰そうとする。始めは簡単に切り捨てていた触手も剣に絡まる粘液が切れ味を損なわせ、俺の体力の消費とともに四肢に絡み付く触手の本数も増えていった。
 殆ど最後の力を振り絞って、俺は正面の触手の壁を一閂した。舞台の幕が開かれたように、その先には豪奢な空間が広がっていた。中央の玉座に座っている美女が魔物の本体であろう。ウェイブの掛かった髪は床まで届き、そこから触手に変じている。俺は床に押し付けられたまま、魔物の前に引き出された。「よく、ここまで来れたわね。ご褒美をあげましょうね♪」彼女の言葉と同時に触手が動き始める。俺の手から剣が奪われる。魔法の防具が解かれると、触手は巧みに俺の服を引き剥がしていった。下着も取られ丸裸にされた俺の体に触手が粘液を塗り付けてゆく。媚薬の効果があるのか、俺の股間でペニスが憤り勃っている。その周りに細い触手が絡み付くと、これまでに感じたことのない快感に襲われる。触手は更に口や耳等俺の体の開口部から次々と侵入してくる。媚薬が痛みを快感に置換しているらしく、俺はふさがれた口の隙間から歓喜の嗚咽を漏らしていた。それはまるで幾人もの男のペニスを咬え込んで喘いでいる女の媚声のようであった。
 
 
 
 気が付くと俺は土の上に倒れていた。この場所には見覚えがあった。魔物の住み処への入り口である。ズキズキと痛む体を起こし、近くに落ちていた剣を拾った。魔法の防具が集まってきた。が、それはいつもの形にはまとまらなかった。胸当てが異常に膨らんでいる。しかし、それは限りなく俺の体にフィットしていた。
 俺はいつの間にか女戦士になっていた。あの魔物のせいに違いない。俺は剣の柄を握り締め、体の痛みを堪えながら再挑戦の一歩を踏み出そうとした。「無茶しないでください!」背後から悲愴な叫びが聞こえた。ミロだった。「私の治癒魔法でも、まだ治しきれていないんです。それに、その肉体は基礎体力が全然違っています。今までと同じ戦い方はできませんよ。」「なら、俺を男に戻せ!」「無理です。私の魔法では傷を癒すことしかできません。」「なら、奴を倒すしかあるまい?」「駄目です。」行こうとする俺の腕をミロが把んでいた。その一瞬後、俺はミロに組み伏せられていた。「今のあなたなら、私でも倒せます。」
 剣が奪われた。魔法の防具が解かれると、俺の裸体が晒される。「これが今のあなたです。」ミロの掌が俺の乳房をつかんだ。ミロはその先端を口に入れた。
「!!!!」
 強烈な刺激が俺の脳天を直撃した。ミロが俺の乳首を噛んだのだ。そして未だ体の中に残留している媚薬効果が、それを快感に変換する。ジュンと俺の股間から吹き出てくるものがあった。それは俺の股間を濡らしてゆく。ミロはその液体を指に絡めた。「ほら、これが貴女の愛液ですよ。」それを俺の唇に擦り付けた。下腹部が熱を帯びる。股間の器官が疼きだす。愛液が滴り落ちてゆく。「貴女は女になったのですよ。」俺の前でミロが服を脱いだ。ミロの股間にはペニスがそそり立っていた。俺は金縛りにあったように身動きできなかった。ミロが被いかぶさってくる。ミロのペニスが俺の中に入ってきた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 今日も僕は学校から帰ると、ネットには見向きもせず服を脱いでいった。変わり果てた僕の肉体が晒される。あの魔物を倒さなければ僕の体は元に戻らないと判っている。だけど、僕は裸のままベットに潜り込むのだった。
 布団の中で僕は左手を膨らみかけの胸に置く。ゆっくりと揉んでいると次第に乳首が大きくなってゆく。その先を指先でつまみ刺激を与える。即に股間が湿り気を帯びてくる。僕は右手を股間に延ばしてゆく。なにもなくなった股間にある割れ目に指を差し込んでゆく。漏れ出そうになる嗚咽をかみ殺す。
 快感が僕を支配していた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 クラスの男子の半分が女の子になっていたことが判明し、騒ぎになるまでには、まだしばらくの時間があった。
 
 
 

−了−


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