目覚め



 その女の人は毎日のように僕の夢の中に現れる。
「いらっしゃい♪」
 僕は彼女の言葉には逆らえなかった。ゆっくりと彼女の前に跪く。僕の目の前に彼女の股間があった。なだらかな丘陵には漆黒の茂みがあり、そこに隠れているものが次第に威容を顕してくる。本来、女性には存在しえない肉柱が突き出される。彼女に促され、僕はそれを口に含んだ。
 先端の割れ目に舌を突き立てたり、シェイクを呑むように勢いよく吸い込む。歯を立てないように唇で圧迫したまま、口の中で出し入れを行う。
 彼女は満足の笑みを浮かべ、「いくわよ♪」と声を掛ける。
 僕の口の中に白濁した粘液の塊が放出される。それを零さないように全て飲み込む事を強要される。肉柱に残った滓も全て舐め取らされた。
 一通りの行為が終わると、僕はベッドに寝かされる。膝を立て、股間を晒される。その間に彼女が立ちはだかる。そして、彼女の身体が被さる。僕の股の間に彼女の下半身が降りてくる。彼女の肉柱の先端が股間に触れる。何かを探すように、肉柱が僕の股間を俳諧する。
 そして、目的のものが見つかった。
 彼女の身体が密着すると同時に、肉柱が僕の中に入ってくる?
 男には存在しえない箇所に肉柱が差し込まれていた。しかし、彼女の肉柱は確かに僕の胎内にあった。肉柱は激しく僕の内を掻き回す。あるときは円を描くように、あるときは直線的に突き上げてくる。あるときはリズミカルに、あるときは変則的なリズムで、僕の胎を揺り動かす。
 それは次第に快感へと変化してゆく。悦感が津波のように押し寄せてくる。歓喜の渦に呑み込まれる。
「ぁっ、ぁあ、ああ、あ〜ん♪」僕の喉が歓声をあげている。
 いつの間にか、僕はベッドの上で淫楽に喘ぎ、悶えていた。
「あん、あん、あんっ♪」彼女の動きに合わせて吐息を漏らす。彼女も息を荒らげている。
 そして、次第に絶頂に向かって昇り詰めてゆく。
 彼女の眉間が狭まり「うっ!!」と呻く。同時に熱い塊が僕の中に放たれた。
「ぁ、あっ、んぁ、あ〜〜〜ん♪」それが引き金となって僕も絶頂を迎えていた。
 白濁した闇の中に身も心も蕩けていくようだった。
 
 
 
 
 目覚ましの音とともに朝を迎えた。あの夢を見始めた頃はパンツの中が惨憺たる状況になっていたが、今ではそんな事にはならない。逆に朝だというのに硬くもならないペニスに若干の不安が残る。思うに、日に日に小さくなってはいないだろうか?
 
 
 
 
 その日の夢はいつもとは違っていた。僕はAVを見ているようにその場を動けなかった。
「いらっしゃい♪」
 彼女に呼ばれて近付いて来たのは白いワンピースを着た少女だった。
 少女はゆっくりと彼女の前に跪いた。彼女がスカートの裾を捲くり上げると、彼女の股間が露わになる。下着を着けていないので、なだらかな丘陵から漆黒の茂みがはっきりと見て取れる。その茂みに隠れているものが次第に威容を顕してくる。いつもの僕と同じように彼女に促され、少女はそれを口に含んでいた。
 毎夜、僕が行っていた行為を目の前の少女が行っている。昨夜までは僕が同じことをしていたのだ。その行為を僕が見ている。昨日までの僕と少女が重なって見えた。
 「いくわよ♪」と彼女が笑みを浮かべながら声を掛ける。
 今、少女の口の中に白濁した粘液の塊が放出されたのだ。少女は喉を鳴らして全て飲み込んでいた。更に、肉柱に残った滓も全て舐め取っている。
 一通りの行為が終わると、少女はベッドに寝かされた。ワンピースを着たまま、下着だけ剥ぎ取られて横たわる。膝を立て、股間を晒している。その間に彼女が立ちはだかった。彼女の身体が被さる。少女の股の間に彼女の下半身が降りていった。彼女の肉柱の先端が股間に触れる。何かを探すように、肉柱が少女の股間を俳諧している。
 そして、目的のものが見つかった。
 彼女の身体が密着する。彼女は挿入した肉柱を腰を振りながら少女の中で責めたててゆく。
「ぁっ、ぁあ、ああ、あ〜ん♪」少女が歓声をあげている。
 少女は昨夜までの僕と同じようにベッドの上で喘ぎ、悶えていた。
 
 彼女に組み敷かれている少女は昨夜までの僕なのだ。
 
「あん、あん、あんっ♪」彼女の動きに合わせて少女が吐息を漏らしている。
 次第に絶頂に向かって昇り詰めてゆく。
 彼女が「うっ!!」と呻くと、「ぁ、あっ、んぁ、あ〜〜〜ん♪」と嬌声をあげ、少女も絶頂を迎えていた。
 
 ゆっくりと彼女が少女の身体から離れた。そして僕を見て笑みを浮かべた。
 彼女の下で少女が蕩けるようにして消えてゆく。少女の着ていたワンピースが残されていた。
「さぁ、今度はあなたの番よ。」彼女は少女の着ていたワンピースを掴むと、僕に差し出した。
 
 
 
 
 朝が来た。ベッドの上で目覚めた。ふと、違和感を感じる。
 掛け布団を剥ぐと、違和感の正体が見えた。僕はいつも着ているパジャマではなく、白いワンピースを着せられていた。それは夢の中で少女が着ていたものと同じものだった。
 
 
 
 
 次の日の夢にはいつもの女の人は出て来なかった。
「いらっしゃい♪」
 声を掛けてきたのは白いワンピースの少女だった。
 僕が近付くと、少女はゆっくりと僕の前に跪いた。穿いているズボンのベルトを外し、ジッパーを降ろす。パンツと一緒に降ろすと、僕の股間が露わになる。貧弱なペニスが弱々しく鎌首を持ち上げていた。少女はそれを口に含んだ。
 少女の艶技に僕のペニスは硬さを取り戻していた。様々な方法で責めたてられ、やがて臨界点が訪れてくる。「うん、うあっ。」情けない声を上げ、僕は少女の口の中に精液を放出していた。少女は喉を鳴らして全て飲み込んでいた。更に、刺激を与え最後の一滴までも搾り取ろうと吸い込んでいた。
 一通りの行為が終わると、僕はベッドに寝かされた。その上にワンピースを着たままの少女が覆いかぶさる。下着は着けていない。少女の股間が僕の下半身に降りていった。ペニスの先端が少女の股間に触れる。何かを探すように、少女は股間揺り動かす。
 そして、目的のものが見つかった。
 少女の身体が密着する。少女は挿入されたペニスを腰を振りながら責めたててゆく。
 しかし、それは少女の肉体から突き出た肉柱が僕の胎内を掻き回しているようにも感じられた。
 倒錯した快感に目覚める。
「ぁっ、ぁあ、ああ、あ〜ん♪」歓声をあげていたのは僕の方だった。
 いつの間にか、僕はベッドの上で淫楽に喘ぎ、悶えていた。
「あん、あん、あんっ♪」少女の動きに合わせて吐息を漏らす。少女も息を荒らげている。
 そして、次第に絶頂に向かって昇り詰めてゆく。
 少女の眉間が狭まり「うっ!!」と呻く。同時に熱い塊が僕の中に放たれた。
「ぁ、あっ、んぁ、あ〜〜〜ん♪」それが引き金となって僕も絶頂を迎えていた。
 白濁した闇の中に身も心も蕩けていくようだった。
 
 気が付くと僕を組み敷いていたのは僕自身だった。
 そして僕は先程までの少女になっていた。
 彼が身体を離すと、僕の中から彼のペニスが引き抜かれていった。
 ゆっくりと彼は僕を見て笑みを浮かべた。
「あなたはわたし。わたしはあなた…」
 僕の目の前から彼が蕩けるようにして消えてゆく。ベッドの上にはワンピースを着た僕が独り残されていた。
 
 
 
 夢から覚めた。
「あなたはわたし。わたしはあなた…」
 僕はそう呟いていた。布団の中で股間に手を伸ばした。そこにぺニスは存在していなかった。指先を曲げるとそれはするりと僕の胎内にもぐり込んで行った。
「あん、あん、あんっ♪」僕は少女声で吐息を漏らしていた。
 
 
 

−了−


    次を読む     INDEXに戻る