「元」彼



「あの娘と付き合うのは止めた方が良い。あの娘には良くない噂がある。」
そう言った親友の忠告を無視して、俺は彼女に交際を申し込んだ。
丁度フリーだったようで、直ぐにもOKがもらえた。
 
しかし、10日と経たずに俺は振られてしまった。
そして、「元」彼となった俺の身体に異変が生じた…
 
 
 
 
 
2〜3日で体調は戻ったが、俺の立場はガラリと変わってしまった。
 
彼女には俺が振られた後も交際している特定の男はいない。
俺は「元」彼ではあるが、彼女とは今でも一緒にいる事が多い。
だからと言って、俺達の縒りが戻ったという訳ではない。
「立場」が違う。
俺は元彼…彼女とは男女の関係のない…女友達になってしまった。
 
「よっ!!」と声を掛けてきたのは彼女との交際について忠告してくれた俺の親友だ。
彼女に振られ、俺と彼との関係も変わってしまった。
「元彼」の俺が、今度は彼の「彼女」だ。
これが俺の「立場」だ。
 
これが「良くない噂」の実体だった。
「彼」でなくなった俺は「彼女」になった。
俺の胸にはバストが突き出て、股間からは大事なものが消え失せた。
何もかもが失われ、与えられた。
俺の立場が根底から覆されていった。
 
それは「良くない」事なのだろう。
しかし、俺…あたしは満足している。
あたしには「彼」がいる。
いつでもあたしは彼の腕に抱かれている。
彼のやさしさに包まれているって、ものすごくシ・ア・ワ・セよ♪
 
 

I was her boyfriend.
Now, I am continuously a friend in her.
However, I am a not 'boy' friend.
Therefore, I am a girl friend.
 
 
−了−


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