今夜もまた奴がやってきた。
す〜〜っと閉じたままのドアをすり抜けて、僕の枕元に立っている。
僕は金縛りのまま声も発てられず、じっと耐えている。
操り人形のように、奴は僕の手足を自在に動かす。
奴の掌がスッと動くと、ポンッと掛け布団が飛んでゆく。
見えない手に掴まれて、僕は中空に吊り下げられる。
そう、僕の足は床の上数十センチの所。力なくぶらりと垂れ下がっている。
そのままスーッと移動させられる。
タンスの前にやってくる。
タンスに付いている鏡に僕の姿が映し出される。
パジャマのボタンが一つづつ外れてゆく。
見えない手が僕の肉体から衣服を剥ぎ取ってゆく。
僕は全裸で鏡の前に吊るされる。
続いて奴は粘土細工のように、僕の肉体を加工していくのだ。
奴の掌が僕の身体に触れる。温かくも冷たくもない。ただ、奴の掌が触れているのが判る。
ぐいと骨盤を両手で掴み、心持ち広げる。痛みは感じない。
ウエストの肉を胸部にたくし上げる。床屋で鏡に向かっているのと大差ない。
股間の突起を潰して、平坦な下腹部に仕上げる。奴の仕事が終わるのをじっと待っているだけだ。
胸部の肉塊の形を整えて作業が完了する。奴は満足そうに頷いていた。
鏡に映っているのは僕の身体であって僕の身体でない。全くの別人がそこにいる。
一糸まとわぬグラマーな女体がそこにあった。
奴の掌が宙を切ると、僕の身体は腹這いになった。
ぐるりと身体の向きが変えられる。
正面に奴がいる。
丁度僕の目の高さ、奴の股間がそこにあった。いつのまにか、奴は自分自身を露出させていた。硬く勃起したそいつが僕の目の前にある。
そいつがゆっくりと近づいてくる。実際には僕の身体が引き寄せられているのだが、奴のコントロールは精緻を究め、僕の口の中にゆっくりとそいつを収めてしまう。
喉の奥に奴の先端が当たる。さらに奥へと挿入される。
僕には何の抵抗も出来ない。
奴に操られるまま、舌先で袋の中の玉を弄ぶ。
喉の奥では奴の男性自身が脈動する。
その動きが一瞬止まった。その直後、熱い迸りが放たれた。
奴の放出する液体には催淫効果があった。奴の迸りを飲み干させられ、次第に身体が火照ってくる。特に股間は火傷しそうに熱くなる。と、同時に股間の合わせ目から多量の液体が溢れてくる。
上の口の次は下の口である。
奴の正面に正対し、両脚を引き裂かれる。愛液に濡れた股間が露になる。
その裂け目を目指して、奴の巨根がズブズブと突き立てられた。
これまで何夜となく繰り返されたコトが再現される。
既に痛みは快感に変わっていた。
奴の逸物が根元まで挿入されたところで、金縛りが解かれる。重力が復活する。僕の全体重が奴の股間に集中する。一点でしか支えられていない僕の身体は不安定極まりない。あわてて奴にしがみつく。
しがみついたそのままの姿勢で、僕は自分から腰を動かしていた。
奴の肉棒が僕の胎内で動き回る。それが僕に極上の快感を与えてくれる。
さらに胸を刷り付ける。奴の胸板の間で乳房が押しつぶされる。その動きの中で乳頭が刺激される。
快感に僕は絶叫する。
既にそれは僕の声ではない。
淫蕩なオンナの嬌声が響き渡っていた。