3つの願い



 どんな願いも叶うというランプを手に入れた男が必死でランプを擦ると、
 白い煙と共にランプの精が現れた。
「これはご主人様。私はどんな願いも3つだけ叶えて差し上げます。」
 男は答えた。
「ほしい物は決まっている。酒と金、そして女がいい。」

    ―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

 ツンと鼻を衝く芳香。
 グラスの中から漂う。琥珀色の液体。
 極上のブランデーだ。
 
 ポンとデーブルの上に札束が差し出される。
「取り合えずの小遣いだ。」
 隣に座っている男が言った。

 驚いて男を見る。と、脂ぎった精力的な顔がドアップで近付いてきた。
 少し首を傾けて強引に唇を合わせる。と、間髪をいれずに舌を押し込んできた。
 男の手が俺の胸をまさぐり、豊満なバストを揉みしだく。腰を愛撫する。

「お前の願いは叶えられた。」
 ランプの精が耳元で囁く。
「ちがう!!」俺の叫びは声にはならず、ランプの精は何処へか去っていった。


−了−


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