これで萌えろ!



 
 1.雨のイタズラ
 
  突然の土砂降りの雨に打たれた
 
  店の軒下で雨宿りをする
 
  ショーウィンドウが鏡のように僕を映す
 
  ワイシャツに透けたブラ
 
 
 
 2.間違い
 
  慌てて飛び込んだのはいつもの場所だったが、僕は自分の姿を考えていなかった。
  誰もいないし、今更入り直すには差し迫っている。
  僕は意を決して扉を開け、一瞬迷ったがそこに座った。
  解放感に包まれる。
 
  スカートを降ろし、身支度を整えた時。他の人が入ってきた。
  ドアがノックされる。声も出せず、ただノックを返す。
 「具合でも悪いのか?」声を掛けられた。「店の人を呼ぼうか。」
  絶対絶命のその時、マッドサイエンティストの叔父にもらった機械を思い出した。
 
  『状況転換スイッチ』のスイッチを入れる。
  見る見るうちに室内が変化してゆく。外にいた人の声音が変化してゆく。
 「大丈夫ですか?」
  僕はドアの外でうろたえている新米女性に声を掛けた。
 
 
 
 3.そこは…
 
  それは、ヴ〜〜〜ンと唸り音をあげている。
 「これが欲しいんだろう?」
  奴がそれを俺に近づけてくる。
 「あぁ……」
  俺の声は小さく、ただ、目に涙を浮かべるのが精一杯だった。
 「動くなよ!!」
  奴の手が俺に触れた……
 
 
 
 「さぁ、いかがですか?」
  鏡の中にドライヤーとブラシで髪が綺麗に整えられた僕が映っていた。
 
 
 
 4.卒業式
 
  卒業式を終え、三年間通った学舎を後にした。
  感慨に耽っていると、「せんぱい♪」と声を掛けられた。
  公園の入り口に女のコが立っていた。制服とバッチからうちの2年生と判る。
  俺が立ち止まると彼女は満面の笑みを浮かべた。
 「もう、会えないんですよね。好きだったんです。思い出をもらえますか?」
  俺達はそのまま喫茶店でお茶を飲み、ゲームセンターで遊び、カラオケで歌った。
 「ねぇ、先輩♪ 記念にもらえますか?」
 「第二ボタンかい?」
 「いいえ、コレッ!!」と言って彼女はズボンのチャックを降ろした…
 
 
 
  俺は遠くの街で独り暮らしを始めた。
  今でも彼女からメールをもらう。
 
 >今日の「先輩」はとても元気でした。あたしの中に5回も射してくれたの。
 
  そんな文面を読んでいると、俺の股間も熱くなってしまう。
  失われた分身の跡から秘蜜が溢れ出す。
  俺は堪えられずにショーツの中に指を忍び込ませるのだった…
 
 
 
 5.血
 
  ブリーフに付いた紅い染み
 
  コンビニで赤飯を買った
 
 
 
 6.彫刻
 
  公園の芝生の中に少女の彫刻が立っている。
  作者もタイトルも定かではない。
  いつの間にかそこにあった。
 
  ある日、一人のサラリーマンが公園の芝生の上に転がっていた。
  彼は今朝、リストラを宣告されたのだった。
  会社を飛び出し、あてもなく街を歩き、この公園に辿り着いた。
 
 「仕事がないなら一日中公園でごろごろしていたいなぁ」
  そんな彼の独り言に答える声があった。
 「その願い。叶えてやろう。」
 
  彼は驚いて立ち上がった。
  声のした方を見る。が、誰もいない。
  他を捜そうとした時、脚が動かなかった。
  彼の足は石化し、それは徐々に身体全体に広がっていった……
 
 
 
 7.スカウト3
 
 「さぁ、次を脱いで。」
  傍らのお姉さんが促す。
 
  僕は上着のボタンを外す。
  スカートのジッパーを探り当て、ホックを外す。
  足下にスカートが落ちてゆく。
 
  ブラウスのボタンが左右逆でなかなか外せない。
  ブラウスの下には更に下着があった。
  その下にはブラジャーがある。
  僅かにではあるが膨らんだ胸がブラのカップを満たしている。
 
  これは僕の?
  ブラを外し間近に見る。
 
  と、観客の熱気が一段と高まった。
  僕はステージの上でショーツと靴下だけになっていた。
 
 
 
 8.貸し衣装
 
  結婚式の日取りも決まり、今日は二人で貸衣装を見に来ていた。
  純白のウェディング・ドレスに包まれた君を見て、僕はドキリとした。
  大きく開かれた肩と胸元、細く絞られたウエスト、優雅に広がるスカート
  僕の目は釘付けになった。
 
 「よろしかったら、あなたもどうぞ。」
  耳元で囁かれる。
  別室には燕尾服やタキシードと並んで彼女と同じデザインのドレスがあった。
 
 「いかがですか?」
  僕は何も言えなかった。
  鏡に映った初々しい花嫁の姿に、僕はうっとりとしていた。
 
 
 
 9.君
 
  「君」は何者なのだろう。
  目の前の君は僕にそっくりだった。
  まるで、鏡に映ったようにそこにいる。
 
  手を伸ばし、君に触れる。
  暖かな温もり。心臓の鼓動。呼吸……
 
  やがて、君は目蓋を開ける。
  そして叫ぶ。
 「あ、あたしがいる!!」
 
 
 
 10.通販
 
  インターネットで見つけたとっておきのアイテム
 
  股間に貼るだけで僕は女のコ
 
  学生服を着てしまえば誰にも判らない
 
  誰も知らない 僕だけの秘密
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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