これで萌えない♪



 
 1.太陽のイタズラ
 
  夏にはまだ早い誰もいない浜辺
 
  服を脱いで横たわる
 
  照りつける陽射しが肌を焦がす
 
  背中にクッキリとブラの跡
 
 
 
 2.間違い
 
  慌てて飛び込んだそこには、見慣れたモノは存在していなかった。
  誰もいないし、今更入り直すには差し迫っている。
  僕は意を決して扉を開け、一瞬迷ったがそこに座った。
  解放感に包まれる。
 
  ズボンを上げ、身支度を整えた時。他の人が入ってきた。
  ドアがノックされる。声も出せず、ただノックを返す。
 「具合でも悪いの?」声を掛けられた。「店の人を呼びましょうか。」
  絶対絶命のその時、マッドサイエンティストの叔父にもらった機械を思い出した。
 
  『状況転換スイッチ』のスイッチを入れる。
  見る見るうちに衣服が変化してゆく。身体が変化してゆく。
 「大丈夫です。」
  僕は可愛らしい声で答えてその場を後にした。
 
 
 
 3.そこは…
 
  それは、ヴ〜〜〜ンと唸り音をあげている。
 「これが欲しいんだろう?」
  奴がそれを俺に近づけてくる。
 「あぁ……」
  俺の声は小さく、ただ、目に涙を浮かべるのが精一杯だった。
 「そこに寝るんだ!!」
  奴の手が俺に触れた……
 
 
 
 「あんっ、ああ〜〜〜。」
  俺マッサージ機の快感に翻弄されていた。。
 
 
 
 4.運動会
 
  それは変わった障害物競争だった。
  最初に牛乳ビンに入ったオレンジシュースのようなモノを飲まされた。
  網を潜り抜けた後、身体のバランスが悪くなった。平均台を中々通過できない。
  みると、胸が大きく膨らんでいる。女のコのようだ。
  次の障害は試着室のBOXのようなものだった。この中で着替えさせられた。
  セーラー服になって飛び出す。ブラジャーを着けた事で胸の揺れが軽減された。
  着替えの時、時間のロスを覚悟の上でスカートを腰の所で折り込んでおいた。
  超ミニとなったが、裾が邪魔にならないので、グングン先頭に追いついてゆく。
  ショーツが見られるのもお構いなしに、ハードルを飛び越えてゆく。
 
  そして「勝利!!」
 
  他の参加者が男に戻っていく中、純白のガウンを被せられ表彰台に上げられた。
  プレゼンターがやってきた。
 「おめでとう御座います。あなたは女性として認められます。副賞として婦人服の…より…を一年分、…より化粧品…各種ランジェリーを……」
 
 
 
 5.蜜
 
  独り寝の寂しい夜
 
  僕は指に蜜を纏わす
 
 
 
 6.人形
 
  おもちゃ屋のショーケースの中に人形が並んでいる。
  綺麗な服を着て、子供達に微笑み掛けている。
 「ねぇ、一緒に遊びましょう」
  彼女達はそう言っていた。
 
 「それも良いかな?」
  僕がそう思った途端、視界が揺れた。
 
  女の子が僕を見つめていた。
  僕は優しく微笑んだ。
 「ママ、買って〜♪」
 
 
 
 7.スカウト2
 
  スポットライトが当てられる。
  どこからか艶かしい音楽が流れて来た。
  客席は闇の中だが、観客の熱気が押し寄せてくる。
 
 「さぁ、脱いでみて。」
  傍らのお姉さんが耳打ちする。
  改めて僕は自分の姿を確認した。
 
  薄茶色のコートにチェックのマフラーをしている。
  手には学生鞄を下げている。
  可愛らしいマスコットが把手にぶら下がっている。
  コートの裾が広がり、その先に紺色の布端。
  スカートの襞のように折り目が付いている。
 
  違う。
  僕はスカートを穿いているのだ。
  鞄を置き、マフラーを取り、コートを脱いだ。
 
  そこには制服姿の女のコが立っていた。
 
 
 
 8.ヴァージン・ロード
 
  憧れのヴァージン・ロード。
  今、目の前にある。
  父に手を引かれ、ゆっくりと歩を進める。
  パイプオルガンが荘厳なメロディーを奏でる。
  皆がこちらを向いている。
  今こそ、僕が主役だ。
 
 
 
 9.僕の解
 
  ない + ある = ほっ
 
  ある + ない = やった!!
 
  ある + ある = ???
 
  ない + ない = むふっ♪ 
 
 
 
 10.箪笥
 
  鍵の掛かる引き出しの中は 僕の秘密
 
  ぎっしりと詰め込まれたカラフルな下着
 
  Tシャツとトランクスの下に着ける
 
  誰にも見せない 僕だけのオシャレ
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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