「あの〜?」
僕の前にひとりの女の子が立っていた。
差し出された手には可愛らしくラッピングされたもの?バレンタインデーのチョコレートに違いない。
「これ?受け取ってもらえますか?」
「僕に?」
「はい♪」
僕はもう一度、彼女を見た。
確かに真剣な眼差しで僕を見つめている。
(僕にこれを受け取る資格はあるのか?)
自問する。
そして、
答えは
「すまない。僕にはこれを受け取る資格がないんだ。」
「どういう事?ですか?」
「今の僕は、君と同じ『女の子』だからね。」
「そ、そんな?」
そう言って走り去る女の子の目から涙が零れているのが見えた。
「受け取ってやるくらい問題ないんじゃないか?」
親友がそう声を掛けてきた。
「それは出来ないよ。今の僕はもらう側ではなく、差し出す側なんだから。」
そう言って僕は親友に持っていた紙袋を差し出した。
「これは?」
「勿論、チョコレートだよ。所謂、本命ってやつさ♪」
「な?どういう事?」
「皆まで言わせるか? ?す、好きです♪って事だよ!!」
ー了ー