「な、何なんだよ。これは?」
親友から手渡されたのは綺麗にラッピングされた小さな箱だった。
「何って、バレンタインのチョコレートだよ♪」
「見た目からそうなんだとは思ったが、何で俺に渡すんだ?」
「こいつには呪いのようなものが掛かってるらしいんだ。」
「『呪い』!?」
「あた?ボクも良く解らないんだけど、コレを誰かに渡すと、ボクにコレをくれた娘が男に戻れるらしい。」
「『らしい』だけで、そんな事するのか?」
「だから、コレを別の人に渡してみてくれない?」
「そうするとどうなるんだ?」
「あたしは元に戻って、貴方が女の子になる筈よ♪」
「で、俺がコレを開けてチョコレートを食べてしまうとどうなるんだ?」
「それは解らないわ。」
「なら、やってみよう♪」
「な、何で!?」
「コレはお前が俺にくれた物だ。今は俺の物だから、俺が何をしようと問題ないだろ?」
「や、止めて!! それは『呪い』のチョコレートなのよ!!」
彼女の制止を無視して、俺は封を開け?
「美味しいぞ♪」
「あ、ありがとう?」
「で、その『呪い』ってどうなったんだ?」
「っえ?」
「お前が必死に開けるのを止めただろ?」
「?そう?だっけ? 多分、あたしの手作りだから?上手く出来てないかも?って?」
「お前が作った? さっき、誰かからもらったって言ってなかったか?」
「そ?そんな事ナイよ?」
もう一度思い返してみた。
が、何か記憶にモヤが掛かったみたいだ。
「あたしのチョコレート、どこか変?」
「そんな事ないよ。美味しいよ♪」
「良かった♪」
そう、何も問題は無い。
彼女からバレンタインのチョコレートをもらっただけだ。
そう?「彼女」からの?
ー了ー