金で済むなら…


 
 いかにも…
 と言われそうな程、肌の白い肥満体型の僕は「ひきこもりオタク」の典型にに違いなかった。
 
 そんな僕でも、リア充に憧れがない訳ではない。
 しかしこのままでは、女の子と話しもできないで一生が終わってしまう事は確実だろう。
 そこで僕は心機一転し、先ずはみてくれだけでもどうにかしようと、日焼けサロンに行く事にした。
 
  
 
 「日焼けの前に、そのお腹を引っ込めた方が良いですよ。」
 焼き具合を相談するときに「女の子と気軽に話しができる身体になりたい」と言った所、そんな事を言われてしまった。
 「そんな事は解ってるけど、鍛練しなくちゃ実現できないでしょ?疲れるし時間もかかるじゃないか。」
 日焼けなら、カプセルで寝ているだけだとの思いがあった。
 
 
 
 「楽して理想の肉体を手に入れる方法がない事はないんですが…」
 「お金がかかるんでしょ♪いくらぐらい?」
 今の僕は遺産相続でかなりの資金が手元にあった。
 僕は店の人に教えられた場所に向かった…
 
 
 
 
 
 照りつける太陽♪
 小麦色の肌♪
 そして理想のプロポーション♪
 ひきこもりオタクだった僕が真夏のビーチを闊歩している♪
 
 確かにこの姿なら、女の子に気輕に声を掛けられるだろう♪
 …が、それ以前に軽薄そうな男達に何度声を掛けられた事か…
 これでは、僕の童貞卒業の前に、処女を卒業してしまいそうだ!!
 
 


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