「アクスタ」と言っても「アクション・スター」ではない。
「アクリル・スタンド」の方である。
ある日突然、俺の意識がこのアクスタの中に放り込まれたのだ。
それも…
女性向けの二枚目男性キャラであれば、インスタに入れ込むためにあちこち連れていかれたり
女の子達のかしましいおしゃべりの話題に放り込まれたり
と、それなりに役得のようなものはあると思うのだが…
何故か俺の放り込まれたアクスタには、ゲームキャラのような美少女が描かれていた。
当然の事ながら、このアクスタの所有者は独身おたく男性となる。
更に、俺の事をゲームキャラの女の子の名前で呼び…
ズリネタとして醜いモノを見せつけられ、果ては白濁物に汚されることになるのだ。
そんな事が繰り返されて我慢できるものか?
できるものなら奴と入れ替わりたい!!
そんな思いが日に日に高まっていったある晩、俺は金色の光に包まれていた。
(これは天啓か?)
俺は必死に「奴と入れ替わりたい」と願った。
…朝…
俺はカーテンの隙間から漏れ落ちる朝日に起こされた。
どうやら俺は奴のベッドに寝ていたらしい。
(もしかして入れ替われた♪)
俺はいつも俺=アクスタが置かれている机の上に目を向けた。
そこには「アクスタ」となった「奴」の姿があった。
そう…見栄えのしない独身おたく男性…そのままの姿でアクスタとなっている。
(なら…「俺」は?)
恐る恐る胸元を覗き込む…と、そこには双つの膨らみが…
あのキャラの衣装に包まれたそのままに…