ふたなり…バニー



「コレって…」
「あんたも知らないもんじゃないだろう♪」
僕の目の前に突き出されたのは、禍禍しく勃起した男性器である。
もちろん、それは僕の股間にもあり、エッチな事を考えれば勃起もする。
が、何故ソレが目の前の女性の股間に存在するのか?
ソレは男性器であり、男性の所有するモノで、本来女性の股間にはあってはならないモノである。
「勿論、コレは贋物じゃないわよ♪扱けばちゃんと精液もでるし、女の子を妊娠させる事もできるわ♪」
彼女が腰を振るとペタペタと僕の頬がソレに叩かれる。
「あんたも妊娠してみる?」
「そ、そんな…僕は男ですよ。」
「そんな格好して、まだ自分が男だって思ってるのかい?」

そんな格好…
そう、今の僕はバニーガールの衣装を着せられていた。
ご丁寧にも胸が膨らまされ、しっかりと谷間を見せている。
「格好はこんなんでも、僕は男です。」
そう言ったが
「ちゃんと確認してみたのかな♪」
と彼女の指先が僕の股間を撫であげてゆく…
(?!)
そこには違和感以外の何物もなかった。
彼女の指は僕の股間に出来た谷間に嵌まり込んでゆく…
「ほら♪ココには何があるのかな?」
 
 
友人に連れられてきたパーティー会場は、一見どこにでもある…というか映画でよく見るきらびやかな空間だった。
場違いじゃないか?と逡巡している僕を友人は更に奥へと連れていった。
「キャストが少し足りないんだ。とは言え、君が何かできるとも思ってはいない。単なる人数合わせ…賑やかしだ。」
僕の手に紙袋が渡され、更衣室のドアミラーが開かれた。
「コレを着て会場に立っているだけで良い♪」
と更衣室に押し込められた。
「言いわすれたが、そこに書いてある通りにちゃんと着ないとドアは開かないからね♪」
 
紙袋に入っていたのはバニーガールの衣装だった。
勿論、こんなモノは着れないとドアを開こうとしたが、ドアはびくともしない。
仕方なく、書かれている通り全裸になったうえで衣装を着ていった。
網タイツを履き、カフス、チョーカーと付けてゆく。
ブカブカの胸には人工乳房が貼り付けられる。
頭にはウサ耳を装着して、これで完了かと更衣室のドアに触れると、ドアはすんなりと開いてくれた
 
「準備はできたな。こっちが会場だ。何もしなくて良いがお客様に粗相はしないようにな。」
と黒服の男に促されてパーティー会場に足を踏み入れた。
が、当然何もすることもできない。
同じようなバニーガールの衣装を着た本物のキャスト達は率先してお客様達へのサービスを行っていた。
同じことをやれと言われても、端から僕には無理なことは即にも解っていた。
何もしなくても良いと言われていたことに安堵するばかりだ。
 
「貴女、新人さんね♪」
と、突然声を掛けられた。
ゴージャスなドレスに包まれた大人の女性がそこにいた。
「な、何でしょう?」
「先ずはゲストの質問に答える。言われなかった?」
確かに、お客様への粗相はしないよう言われていた。
「ぁ、はい。初めてです。」
「あら♪本当にほやほやの新人なんだ。これは良い娘に声を掛けれたわ♪」
「で、何か御用でしょうか?」
「そうね。貴女をちょっとお借りするわ♪」
そう言って黒服に目配せする。
「こっちにいらっしゃいな♪」
と別室に連れてこられた。
 
 
その部屋もまた豪華な造りではあったが、部屋の中央にキングサイズのベッドがあることからそのような用途に使われるものかと判断できる。
それでも天蓋付きのベッドもまた部屋の一部であり豪華な設えであった。
「な、何をすれば良いのでしょう?」
「こういう部屋で何をするかなんて知らない訳じゃないでしょう?」
「ぁ、あの…こんな格好してますが、僕は男で…」
「そんな事は関係ないわ♪貴女達はお客様への奉仕の心を忘れなければ良いのよ♪」
と僕を跪かせると
「先ずはコレへのご奉仕からお願いね♪」
とスカートをたくしあげた。
 
そこから出てきたモノ…本来、女性は保有していない筈のモノがそこにあった。
あまりの衝撃に尻もちをついてしまう。
「コレって…」
「あんたも知らないもんじゃないだろう♪」
一瞬、大人の玩具か何かかも…とは思ったが
「勿論、コレは贋物じゃないわよ♪扱けばちゃんと精液もでるし、女の子を妊娠させる事もできるわ♪」
と否定される。
「あんたも妊娠してみる?」
彼女はこんな格好をしている僕を女の子と勘違いしている?
「そ、そんな…僕は男ですよ。」
と言ったが
「そんな格好して、まだ自分が男だって思ってるのかい?」
と彼女の指先が僕の股間を撫であげていった。
「ほら♪ココには何があるのかな?」
いつの間にか僕の股間でモッコリとしていた膨らみは姿を消していた。更に、そこは割れ目となり、彼女の指を挟み込んでいる…
それが僕の肉体の一部であることを感覚が伝えてくる。
「…ぅそ…」
僕の意識は否定を続けるが、彼女の指で与えられる刺激が心地良く、肉体は勝手に反応してしまう。
「ほら♪ちゃんと濡れてるじゃない。これなら前技なんて要らないわね♪」
彼女がスカートを落とす。
ストッキングはベルトで止められている。
下着を着けていない下半身が剥出しとなっていた。
確かにソレは玩具ではなかった。
しっかりと彼女の肉体から生えている。
「最初は一気にいこうかしら♪」
と床に尻もちをついたままの僕を抱え上げた。
「この薬は筋肉も男性並みに強化されてるのね♪」
軽々と僕を抱き上げると尻に手を回し、そのまま僕を降ろしてゆく。
先端が股間に触れると、器用に布地を避けてその先端を僕のナカに…
(!!!!!!)
今まで感じた事のない刺激が全身を貫いてゆく。
「大丈夫♪経験はあるから痛いことなんてないからね♪」
僕には何を言われているかはさっぱり解らない。
「流石初モノね♪この抵抗感が良いわ♪」
ズンッ!!と突き上げられる。
どんどん奥に進んでゆく。
が、その先端が壁に突き当たった。
「本当に子宮もできたてほやほやって感じね♪じゃあお初を頂きますね♪」
 
子宮って何?
さっき妊娠させるとか言ってなかった?
僕は「男」たよね?
そんな疑問も次に揺すられると、なにもかもが吹っ飛んでしまった。
(何?コレ?!)
次々と快感が押し寄せてくる。
「アン、アアン♪」
僕が女の子のように喘いでいるのを他人事のように聞いていたかと思うと、次の瞬間には快感に打ちのめされいる。
「さあ、イクわよ♪」
それが最後に聞いた彼女の言葉だった。
彼女のペニスの先端から僕の奥に放たれたモノがぶち当たったのが最後の感覚…
僕は意識を手放していた。
 
 
 
パーティーは終わっていた。
僕だけが最後に残されていた。
見るとベッドの脇に僕が着てきた服が置かれていた。
バニーガールの衣装を脱いで元の服に戻る。
今の僕には彼女を受け入れた器官は存在していない。
胸に手を宛てる。
何も膨らんでなどいない。
でも、僕の腹の奥には彼女の放った精液がしっかりと残っているような気がした。
僕は衣装を入れた紙袋を手に、パーティー会場を後にした…
 
 
 

−了−

 

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