「これを着てもらえないかしら?」
と渡されたのは女性の穿くスカートだった。
「貴男の汚れたズボンは洗濯機の中。いくら何でも女性の前で下半身下着のままはないでしょ?」
マンションから走り出て来た彼女を避けきれずにぶつかってしまい、彼女の持っていた箱が壊れて中身のケーキが俺の脚にぶちまけられたのだった。
非は全て彼女にあるからと、マンションの彼女の部屋に連れられてきたのだ。
「即に洗濯しないと」とズボンを脱がされた。
そして、代わりに渡されたのがスカートだった。
「あら♪綺麗な脚してるのね?」
スカートの下に覗いた脚は俺のものとは思えなかった。
「良かったらトップスも合わせてみる?」
否応もなく上着を脱がされ、シャツを脱がされた。
裸の胸にブラジャーが巻かれ、ブラウスを着せられ、カーデガンが羽織らされた。
いつの間にか、俺の胸には乳房が存在していた。
「可愛い♪お化粧もしちゃおうか?」
鏡の中には美しい女性が現れていた…
無事だったケーキ(形は散々だけど)でお茶会などしてると、あっという間に時間が過ぎていた。
乾燥機が終了のチャイムを鳴らしていた。
「ハイ。乾いたわよ♪」
汚れてしまったあたしのスカートは元通りになっていた。
「ごちそうさま。楽しかったわ♪」
あたしは洗い終わったスカートに穿き代えると、彼女のマンションを後にした…