部活



先生の手がそっと触れた所から、快感が波紋のように広がってゆく。
喉の奥から甘い吐息が漏れてゆく。
これが女の子だよ。
先生が言った。
僕はその意味を理解できていなかった。
僕は快感の波に押し流されていた。
 
先生の手に僕は喘ぎ、悶えた。
そして熱く濡れた所に先生を迎え入れる。
僕は満たされていった。
先生が僕の中にいる。先生の動きがそれを教えてくれている。
やがて、絶頂を迎え先生は爆発した。
僕はその全てを受け止めた。
先生自身が僕の中に染み込んでくるみたいだ。
 
先生が僕を抱きしめる。
内側と外側から僕を包み込んでくれている。
僕は満ち足りた想いの中で眠りについた。
 
 
 
 
電話機の音が鳴っていた。
目覚めの時間を示すメロディーだった。
起き上がるとそこには誰もいなかった。
僕は学生服を身に着け、物理・化学研究室に戻った。
時計を見る。
部活を終える時間だった。
戸締りを確認する。
暗くなった空を映すガラスは鏡に変わる。
黒い詰め襟を着た僕が写し出される。
鏡に映っているのは、どこにでもいる男子高校生だ。
しかし、さっきまで僕は確かに女の子だった。
いや、学生服に包まれた僕の肉体はまだ女の子のままなのだ。
 
僕たちは顧問の先生から薬をもらう。
そして部活の間だけ、女の子になる。
部室として使っている物理・化学研究室の奥にある女の子の服を着て女の子として過ごす。
女の子になっておしゃべりし、女の子になってお化粧し、女の子同士で身体を合わせる。
外に出かける部員もいる。
近くの女子校のセーラー服を着て、運動部の部活を見ている。
本物の女の子と一緒にネット裏で声援を送る。
好きな男の子と束の間のデートをする。
 
そして部活が終われば、元に戻る。
 
しかし、ひとりだけ元に戻れない部員がいる。
僕らはその薬の見返りとして交代で先生に肉体を捧げている。
男性とSEXをすると、まる1日は元に戻れないのだ。
今日の僕がその当番なのだ。
女の子の肉体を学生服で包み隠し、これからの1日を過ごさなければならない。
部員意外の誰にもこの事を知られてはならないのだ。
もちろん両親や兄弟にもだ。
 
 
当番は最終退出者として、最後に物理・化学研究室の鍵を閉める。
閑散とした校内を職員室に向かう。
通りすぎた廊下の蛍光灯を消してゆく。
非常灯がうっすらと緑色に照らされる。
窓の外の校庭にも光は少ない。
真っ暗なグラウンドを囲むようにポツリポツリと街路灯が立っている。
廊下に面した教室も真っ暗である。
ただ、職員室だけから煌々と灯が溢れていた。
 
顧問の先生に鍵を渡す。
夜道は物騒だから、気をつけて帰るんだぞ。
そう言う先生を、周りの先生達がからかう。
何か、女子生徒への注意みたいですね。
そ、そうか?はっはっはっ
と照れ笑いしている。
他の先生は今の僕が女の子になっているのを知らないのだ。
失礼します。
僕はうわずった声で挨拶すると、大急ぎで職員室を辞した。
 
 
確かに、夜道は怖い。
それは女の子になっていると余計にそう思う。
この辺は新興住宅街なので、まわりには畑や田圃が数多く残っている。
見通しの効かない藪の入り口には痴漢に注意の看板がでている。
薄暗い道を通りすぎ、バス停に辿り着く。
バス会社も学校の時間に合わせて運行させているらしく、しばらくするとバスのエンジン音が聞こえてきた。
10コ程バス停を過ぎると、僕の家のある区画に辿り着く。
僕が降りると、お客のいなくなったバスはどんどん遠くなっていった。
学校の近くに比べ、街路灯は多く立っているが、ここにも人通りはない。
家々の窓からは光が漏れてくる。
ガラスの向こうは温かさに包まれているのだろう。
僕は足早に自分の家に向かった。
 
 
 
 
ただいま。
玄関のドアを開ける。
台所から母さんがおかえりと返事をしている。
僕はそのまま2階の自分の部屋に向かった。
ドアの鍵を閉め、カーテンを引いて外から見られないようにする。
そうしてから学生服を脱いだ。
ワイシャツの胸の所が膨らんでいる。
いつもの部活なら、その大きさを自慢しているのだが、今日はそれが恨めしい。
少しでも目立たないように厚手の服を着る。
少し猫背になれば誰にも判らない筈だ。
 
家族と顔を合わせるのは食事の時間だけにしておく。
宿題があるからと、早々に自室に引き込む。
ドアの鍵が閉まると一安心する。
暑苦しい服を脱いだ。
猫背だった背筋を伸ばす。肩を廻して凝りを解く。
鞄の中に手を入れ、部室から借用してきたブラジャーを着けた。
カップの中にバストが納まると気持ちが安らぐ。
その上から大きめのワークシャツを着た。
もちろん男物である。
ブラで補正されたバストはシャツの生地を大きく張り出している。
邪魔な気もするが、僕はこの膨らみを気に入っているのだ。
 
一息ついた所で、鞄から教科書を取り出した。
男の子だろうが女の子だろうが、高校生としての勉強を疎かにする訳にはいかない。
僕は机に向かい、家族に宣言したとおり宿題を片づけに掛かった。
 
 
 
女の子でいるという事はどういうことなのだろう。
僕は男の子だけれど、今は薬で女の子になっている。
男の子と女の子の違いって何なのだろうか?
 
肉体的には生殖器の差がある。
男の子にはオチンチンがあって、女の子には膣がある。
女の子の胸は膨らんでいる。
SEXは?
男の子は犯る方で、女の子は犯られる方。
妊娠するのは女の子。
制服…
詰め襟は男の子で、セーラー服は女の子。
スカートを穿けるのは女の子…
言葉
俺・僕は男の子、あたしは女の子。
ボクはどっち?
 
判らなくなってきた。
 
スコットランドでは男もスカートを穿くらしい。
犯られるのが好きなマゾには男もいる。
男の子の胸が膨らんだら、女の子になるの?
 
今の僕は本当に女の子なのだろうか?
元々の僕は本当に男の子だったのだろうか?
 
 
 
勉強が手に付かなくなってきた。
気が付くと僕の手はズボンのチャックを開いていた。
その中に指を差し込む。
ブリーフが濡れていた。
合わせ目の隙間に更に挿入する。
指先が熱い雫に触れた。
 
男の子にはない肉の谷間がそこにあった。
 
前屈みに腰を引く。
上半身が机の上に横たえられる。
指先が谷間を追ってゆく。
机との間でバストが変形する。
指先は更に進んでゆく。
 
あん♪
 
指先が敏感な所に辿り着いた。
僕は机に頬を付けた。
ゆっくりと指先を動かしてゆく。
快感を発する場所を探し求める。
そして、それを発見した。
 
僕の胎内から蜜が溢れだす。
声を上げないように快感を貪る。
頭の中が真っ白になった。
 
 
 
気が付くと、夜も大分遅くなっていた。
家族は寝静まっているようだ。
冷めきった身体を風呂場に運ぶ。
風呂の蓋を開けると、湯気が心地よい熱気を運んでくる。
 
脱衣場で服を脱いだ。
ブラジャーを着けたままだったので、直ぐには見つからないように脱いだ服の間に隠した。
ブリーフは冷たく湿っていた。
変な臭いが付いていないことを確認して洗濯籠に放り込んだ。
曇りガラスのドアを閉め、鍵を掛ける。
洗い場は白い湯気に包まれていた。
手桶で湯を掬い、身体に浴びせた。
胸の谷間をお湯が通り抜けていった。
 
石鹸を泡立て、身体に擦り込む。
押し包むようにして、胸の膨らみを洗う。
腕、腹、背中、脚 と洗い進めた。
最後に残った所を見る。
僕は自分が女の子になっていることを改めて確認する。
 
先生の残した汚れが残っていた。
もう一度石鹸を泡立て、やさしく擦り付ける。
マッサージするように洗う。
再び肉体が火照りだしそうになったので、慌てて手を離した。
 
手桶でお湯を汲み、身体に付いた石鹸を流し取ってゆく。
ゆっくりと湯船に浸かる。
体中の力が抜けていくように気持ち良い。
 
 
 
湯船に浸かっていると、無意識のうちに股間に指が伸びてゆく。
肉の合わせ目に沿って指を這わせる。
スッと滑り込む。
アァ♪と吐息が漏れる。
湯煙の中に声が響く。
その媚声に刺激され、更に気分が高まってゆく。
湯船の中で股間を広げる。
2本の指先で押し開くと、風呂のお湯が染み込んでくる。
その中に3本目を突きたてる。
僕の少しの動きに湯面が動く。
波が風呂桶の壁に当たり、ピチャリと音をたてる。
 
膣の中に指先が入っていく。
先生のものとは比べ物にならないくらい細いものだが、それは僕の意志で自由に動かすことができる。
入り口で躊躇ったものの、直ぐに奥へと突入させる。
探るように膣壁に指を這わせる。
♪♪♪♪
感じるポイントが見つかった。
僕は一気に昇り詰めていった。
喉から出掛かる嬌声を寸での所で押し止め、僕は湯船の中でイッた。
 
 
 
 
 
退屈な授業が続く。
しかし、これが終われば部活の時間だ。
腕時計で時間を見る。
そろそろ変身が解ける頃だ。
僕の股間でもぞもぞ動くものがあった。
股間の合わせ目が閉じてゆく。
おちんちんが復活してゆく。
胸の膨らみがしぼんでゆく。
学生服の中で進行する肉体の変貌に気づく者は誰もいない。
 
僕の肉体は男の子に戻ってしまった。
いや、男の子になってしまったのだ。
女の子の肉体こそ僕の本来の姿なのだ。
僕は詰め襟を着た女の子。
僕は先生に犯られるのが好きな女の子。
僕は胸の平らな女の子。
 
僕…いえ、ボクは女の子なんだ。
 
男の子のような格好をしていても、男の子のような身体でいても、ボクは女の子に違いない。
部活が始まれば薬をもらうことができる。
ボクは女の子の肉体に戻ることができる。
ボクは女の子らしい服を着ることができる。
ボクは女の子として過ごすことができるのだ。
 
今日は当番ではないので、女の子の姿でいられるのは部活の時間が終わるまで。
それでも、ボクは女の子の姿に戻る。
女の子の身体に戻ってみんなと愛し合う。
こんな素晴らしいことは他にはないわ。
 
あぁ、部活の時間が待ち遠しい。
 
 
 

−了−


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